【2025年版】不動産セクターの高配当株8選!増配・累進配当など株主還元重視の銘柄を比較

指数・業種分析

不動産セクターは景気敏感株としての側面を持ちながらも、安定した家賃収入や開発利益を背景に高い配当利回りを維持する銘柄が多く存在します。

また、不動産は「実物資産」であるためインフレに強く、物価上昇局面では資産価値や賃料の値上がりが期待できる点も大きな魅力です。

本記事では株主還元に積極的な不動産関連の優良企業をピックアップし、その魅力とリスクを解説します。

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この記事でわかること

  • 株主還元に積極的な不動産高配当株8選

  • 各銘柄の配当利回り・株価指標・財務状況

  • 企業の株主還元方針や増配実績

  • 投資における懸念点やリスク(不動産市況の影響など)

本記事で紹介する銘柄一覧

コード 銘柄名 配当
利回り
PER PBR 連続増配
年数
連続非減配
年数
1878 大東建託 4.57% 11.0倍 2.04倍 4年 4年
3003 ヒューリック 3.46% 11.8倍 1.54倍 9年 13年
3231 野村不動産HD 3.76% 11.0倍 1.10倍 9年 17年
3294 イーグランド 4.82% 6.3倍 0.97倍 5年 14年
3457 And Do HD 4.44% 7.5倍 1.18倍 5年 6年
8803 平和不動産 3.98% 15.2倍 1.20倍 8年 13年
8931 和田興産 4.21% 7.3倍 0.53倍 4年 17年
8945 サンネクスタG 3.79% 22.0倍 1.35倍 8年 9年

※各数値データは2025年12月19日終値ベースのものです


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ピックアップ銘柄紹介

① 1878 大東建託

賃貸住宅の管理戸数で業界No.1を誇る建設・不動産の大手企業です。「賃貸経営受託システム」を核に、オーナー様からの建設受注と入居者斡旋・建物管理によるストック収益の両輪で稼ぐビジネスモデルが強みです。

  • 業績・財務: ROE 21.46% ☀️ / 自己資本比率 38.3% 🌤️

  • 株価指標: PER 11.0倍 🌤️ / PBR 2.04倍 ☁️

  • 配当情報: 利回り 4.57% ☀️ / 配当性向 50.0% 🌤️ / 過去10年増配 9回 ☀️

  • 株主優待: なし

  • 株主還元方針: 株主への利益還元を重要課題と位置づけ、連結当期純利益に対する配当性向50%を目標としています。強固な財務基盤を活かし、業績に応じた成果配分を行うことを基本方針としています。

1878 大東建託の配当金推移と増配実績

懸念点・リスク:建設資材価格や人件費の高騰が利益を圧迫する可能性があります。また、金利上昇によりアパートローンの条件が厳しくなると、オーナーの建築意欲が減退し受注が減少するリスクがあります。

配当性向50%という明確なルールがあるから、業績が好調なときの爆発力はすごいね。過去10年で9回も増配している実績はさすがの一言だよ。ただ2026年は減配予想になっているから、少し注意が必要かな。管理ビジネスの安定感はあるから、長期でじっくり見守りたい銘柄だね。

② 3003 ヒューリック

東京23区の駅近オフィスや商業施設を中心に保有する不動産会社です。建替による価値向上や「3K(高齢者・観光・環境)」ビジネスの推進により、最高益更新を続けています。

  • 業績・財務: ROE 12.80% ☀️ / 自己資本比率 27.3% ☁️

  • 株価指標: PER 11.8倍 🌤️ / PBR 1.54倍 ☁️

  • 配当情報: 利回り 3.46% 🌤️ / 配当性向 40.1% 🌤️ / 過去10年増配 10回 ☀️

  • 株主優待: グルメカタログギフト(300株以上かつ2年以上継続保有)

  • 株主還元方針: 業績動向を踏まえた安定的な配当継続を基本方針とし、2025~2027年度の中期経営計画では配当性向40%以上を目標としています。長期的な安定配当を通じて株主への利益還元を行う方針です。

3003 ヒューリックの配当金推移と増配実績

懸念点・リスク:有利子負債比率が高めであるため、金利上昇局面では支払利息の増加が利益の下押し要因となります。オフィス市況の悪化や都心部での物件取得競争の激化も、リスク要因として注視が必要です。

都心駅近という盤石なポートフォリオで安心感が別格だね。優待取得には「300株&2年」の壁があるけど、その分長期保有の恩恵は大きいよ。実質的な連続増配記録も伊達じゃないから、NISAでじっくり持ちたい銘柄かな。

③ 3231 野村不動産ホールディングス

「プラウド」ブランドで知られるマンション開発を主軸に、オフィスや商業施設も展開する総合不動産大手です。業界屈指のブランド力を武器に、都市開発や再開発案件でも高い存在感を発揮しています。

  • 業績・財務: ROE 10.39% ☀️ / 自己資本比率 27.9% ☁️

  • 株価指標: PER 11.0倍 🌤️ / PBR 1.10倍 🌤️

  • 配当情報: 利回り 3.76% 🌤️ / 配当性向 39.2% 🌤️ / 過去10年増配 10回 ☀️

  • 株主優待: なし

  • 株主還元方針: 中長期経営計画のフェーズ2(2026年3月期~)より、総還元性向40~50%かつDOE(純資産配当率)4%を下限とする方針を定めています。減配を行わず利益成長に応じた増配を目指す「累進配当」を明確な方針として掲げています。

3231 野村不動産ホールディングスの配当金推移と増配実績

懸念点・リスク:マンション価格の高騰が続くなか、実需層の購買力が追いつかなくなる可能性があります。金利上昇による住宅ローン負担増が、主力の分譲マンション販売の逆風になるリスクがあります。

「DOE4%下限」の導入で、不況時でも配当が守られる仕組みができたのは強力だね。プラウドのブランド力は健在だし、累進配当を宣言しているから長期投資の安心感はセクター屈指だよ。

④ 3294 イーグランド

中古マンションや戸建て住宅の仕入れ・リノベーション再販を行う中古再生住宅の専門企業です。競売物件の活用に独自のノウハウを持ち、低価格帯の実需向け物件を安定的に供給できる点が強みです。

  • 業績・財務: ROE 7.82% ☁️ / 自己資本比率 36.6% 🌤️

  • 株価指標: PER 6.3倍 ☀️ / PBR 0.97倍 ☀️

  • 配当情報: 利回り 4.82% ☀️ / 配当性向 56.7% 🌤️ / 過去10年増配 8回 🌤️

  • 株主優待: なし

  • 株主還元方針: 株主還元を経営の重要課題とし、「累進配当」による安定的かつ継続的な配当実施を基本方針としています。原則として減配せず、配当維持もしくは増配を行うことを公式HP等で明確に宣言しています。

3294 イーグランドの配当金推移と増配実績

懸念点・リスク:中古再販市場への新規参入が増えており、仕入れ競争の激化により利益率が低下する恐れがあります。また、在庫物件の評価額が下落した場合、評価損を計上するリスクがあります。

PER6倍台・PBR1倍割れという割安感に加えて、利回り4.8%超えはインパクトがあるね。累進配当を明言しているから、業績が大きく崩れない限りはインカム狙いで安心して持てそうだよ。


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⑤ 3457 And Doホールディングス

「ハウスドゥ」ブランドのフランチャイズ事業と、自宅に住みながら資金調達できる「ハウス・リースバック」が主力です。不動産と金融を融合させた独自のビジネスモデルで、高齢化社会の資金ニーズを取り込み成長を続けています。

  • 業績・財務: ROE 13.13% ☀️ / 自己資本比率 25.6% ☁️

  • 株価指標: PER 7.5倍 ☀️ / PBR 1.18倍 🌤️

  • 配当情報: 利回り 4.44% ☀️ / 配当性向 37.9% 🌤️ / 過去10年増配 9回 ☀️

  • 株主優待: プレミアム優待倶楽部ポイント(500株以上)

  • 株主還元方針: 基本方針を変更し、原則減配しない「累進配当」の導入と、DOE(株主資本配当率)目標の追加を決定しました。第3次中計最終年度に向けて配当性向35%、DOE2.5%の達成を目指す方針です。

3457 And Doホールディングスの配当金推移と増配実績

懸念点・リスク:ハウス・リースバック事業は保有物件が増加するため、不動産市況の下落リスクを直接的に受けます。ネットD/Eレシオが2倍超と財務レバレッジが高く、金利上昇時の財務負担増が懸念材料です。

リースバック事業は「持ち家を活用した老後資金の確保」という社会課題にマッチしているね。2020年に一度減配があるけれど、その後は怒涛の勢いで増配中なんだ。500株必要だけど優待ポイントも魅力的だし、検討の価値ありだと思うよ。

⑥ 8803 平和不動産

日本全国の「証券取引所ビル」を保有・賃貸する、国内唯一の地位を確立した不動産会社です。祖業であるビル賃貸に加え、日本橋兜町・茅場町エリアの再開発を主導し、街の活性化による収益成長を実現しています。

  • 業績・財務: ROE 7.85% ☁️ / 自己資本比率 28.1% ☁️

  • 株価指標: PER 15.2倍 ☁️ / PBR 1.20倍 🌤️

  • 配当情報: 利回り 3.98% ☀️ / 配当性向 60.8% 🌤️ / 過去10年増配 9回 ☀️

  • 株主優待: WEBカタログギフト(200株以上など条件あり ※株式分割に伴い変更)

  • 株主還元方針: 2024~2026年度の株主還元においては、株主資本コストや資本効率を意識し、連結配当性向50%程度を基本方針としています。併せて、株価水準や財務状況等を勘案した機動的な自己株式取得を実施する方針です。

8803 平和不動産の配当金推移と増配実績

懸念点・リスク:収益源が東京・日本橋エリアの再開発事業に集中しており、同エリアの賃料相場やテナント需要の変動に業績が左右されやすい側面があります。保有物件の老朽化に伴う修繕・更新コストの増加も考慮する必要があります。

「証券取引所の大家さん」という唯一無二のビジネスモデルは強力だね。兜町の再開発で街がおしゃれに変わってきているし、配当性向50%という高い還元意識も嬉しいポイント。株価も配当も期待したくなる銘柄だよ。

⑦ 8931 和田興産

兵庫県神戸市・明石市・阪神間を主要地盤とする地域密着型の不動産デベロッパーです。マンションブランド「ワコーレ」を展開し、神戸市内での供給棟数で27年連続No.1という圧倒的なシェアと信頼を誇ります。

  • 業績・財務: ROE 9.82% 🌤️ / 自己資本比率 29.8% ☁️

  • 株価指標: PER 7.3倍 ☀️ / PBR 0.53倍 ☀️

  • 配当情報: 利回り 4.21% ☀️ / 配当性向 24.6% 🌤️ / 過去10年増配 9回 ☀️

  • 株主優待: なし

  • 株主還元方針: 株主の長期的利益の維持拡大を重要目標とし、配当性向30%の実現を目指しています。事業領域の拡大と効率的な経営による収益力向上を図りつつ、安定配当を継続する方針です。

8931 和田興産の配当金推移と増配実績

懸念点・リスク:事業エリアが神戸・阪神間に集中しており、特定地域の経済状況や災害リスクの影響を強く受けます。マンション分譲が主力のため、在庫の回転率や完成在庫の増加リスクには注意が必要です。

PBR0.5倍台は「解散価値の半分」という超割安水準だね。グラフを見ると2011年から一度も減配せず、綺麗な右肩上がりを描いているのが凄まじいよ。神戸エリア特化のリスクを補って余りある、魅力的な銘柄だと思うな。

⑧ 8945 サンネクスタグループ

社宅管理代行サービスで国内トップクラスのシェアを持つ企業です。企業向けの社宅アウトソーシングに加え、マンション管理や大規模修繕工事なども手掛け、安定したストック収入が強みです。

  • 業績・財務: ROE 3.00% ☁️ / 自己資本比率 72.3% ☀️

  • 株価指標: PER 22.0倍 ☁️ / PBR 1.35倍 🌤️

  • 配当情報: 利回り 3.79% 🌤️ / 配当性向 163.5% ☁️ / 過去10年増配 9回 ☀️

  • 株主優待: QUOカード等(100株以上 ※2027年以降は200株以上が必要)

  • 株主還元方針: 中期経営計画において、DOE(純資産配当率)5.0%を目安に「累進配当」の維持を目標としています。財務の安全性と資本効率を考慮し、安定的かつ継続的な増配を目指す方針です。

8945 サンネクスタグループの配当金推移と増配実績

懸念点・リスク:PER22倍と他社に比べ割高感があり、成長期待が剥落すると株価調整のリスクがあります。顧客企業の業績悪化による社宅需要の減少や、経費削減圧力による手数料収入への影響が懸念されます。

自己資本比率70%超えという鉄壁の財務が最大の安心材料だね。DOE採用のおかげで、利益が変動しても配当は右肩上がりを継続できている点が素晴らしいよ。長期保有派にはたまらない魅力がある銘柄だね。

まとめ

不動産セクターは金利上昇などの懸念材料もありますが、インフレ局面では賃料や物件価格の上昇による恩恵を受けやすい「インフレに強い」セクターでもあります。

今回紹介した銘柄のように株主還元への意識が高い企業は、一時的な業績変動でも配当が維持されやすいため、長期投資の対象として検討に値します。

インフレヘッジとインカムゲインの両取りを狙いたい方には、ポートフォリオの有力な候補となるでしょう。


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