『日経累進高配当株指数』採用30銘柄の評価と買い時の2銘柄
はじめに
高配当株投資の魅力は、安定したインカムゲインと将来の資産形成にあります。
その中でも「日経累進高配当株指数(愛称:しっかりインカム)」は、増配または非減配を続ける企業で構成されており、配当の安定性と成長性の両方を兼ね備えた指数です。
この記事では、この指数に採用されている30銘柄を最新のデータに基づいて一覧化し、今時点で買い時かどうかを評価してみました。
さらに、投資妙味のある個別銘柄を2つピックアップして解説します。
『日経累進高配当株指数』とは
日経新聞社が公表した「日経累進高配当株指数(愛称:しっかりインカム)」は、次の条件を満たす国内企業30社で構成されています:
- 直近3年間、配当を維持または増配
- 配当利回りが市場平均より高水準
- 安定した財務基盤と業績
この指数は「長期投資に適した安定配当株」を選定するため、配当生活を目指す投資家からも注目されています。

30銘柄一覧(2025年8月時点)
コード | 銘柄名 | 配当利回り | PER | PBR | 評価 |
---|---|---|---|---|---|
1719 | 安藤・間 | 4.79% | 14.56 | 1.53 | △ |
1870 | 矢作建設工業 | 4.01% | 14.62 | 1.40 | △ |
1928 | 積水ハウス | 4.38% | 9.19 | 1.09 | ◎ |
3861 | 王子ホールディングス | 4.74% | 10.72 | 0.64 | ◎ |
4041 | 日本曹達 | 4.08% | 13.47 | 1.01 | △ |
4042 | 東ソー | 4.34% | 11.83 | 0.89 | △ |
4182 | 三菱瓦斯化学 | 3.88% | 13.56 | 0.75 | △ |
4183 | 三井化学 | 4.46% | 11.35 | 0.81 | ○ |
4205 | 日本ゼオン | 4.35% | 11.55 | 0.91 | ○ |
4208 | UBE | 4.87% | 7.98 | 0.56 | ◎ |
4272 | 日本化薬 | 4.46% | 12.04 | 0.80 | ○ |
4502 | 武田薬品工業 | 4.72% | 29.36 | 0.96 | △ |
4503 | アステラス製薬 | 4.89% | 21.95 | 1.89 | △ |
4521 | 科研製薬 | 4.73% | 44.91 | 1.01 | △ |
4528 | 小野薬品工業 | 4.68% | 11.99 | 1.03 | △ |
5020 | ENEOSホールディングス | 3.72% | 11.73 | 0.70 | △ |
5201 | AGC | 4.60% | 17.01 | 0.70 | △ |
3431 | 宮地エンジニアリング | 4.81% | 21.47 | 1.33 | △ |
5938 | LIXIL | 4.91% | 65.88 | 0.85 | △ |
7313 | ティ・エス テック | 4.80% | 22.39 | 0.73 | △ |
7956 | ピジョン | 4.53% | 23.05 | 2.47 | △ |
8130 | サンゲツ | 5.07% | 13.82 | 1.59 | ◎ |
8252 | 丸井グループ | 4.15% | 20.44 | 2.32 | △ |
8309 | 三井住友トラストG | 4.04% | 9.96 | 0.91 | ◎ |
8439 | 東京センチュリー | 3.77% | 9.47 | 0.86 | ◎ |
8473 | SBIホールディングス | 2.85% | 9.85 | 1.43 | △ |
8593 | 三菱HCキャピタル | 3.91% | 10.31 | 0.92 | △ |
8725 | MS&ADインシュアランス | 4.70% | 8.52 | 1.25 | ◎ |
8931 | 飯田グループHD | 4.11% | 11.85 | 0.62 | △ |
9364 | 上組 | 4.26% | 16.81 | 1.15 | △ |
※「評価」・・・配当利回りと割安度などからまめたろうが総合的に判断したもの。
- ◎ → 今すぐ買いを検討したい
- ○ → もう少し株価が下がったら買いたい
- △ → 今は買い時ではない
ピックアップ銘柄(買い時の2社)
◎ UBE(4208)
化学・セメントなどの素材事業を柱に、近年は環境対応型の新素材分野にも注力。
過去に大型再編を経て、現在は選択と集中が進み、安定した収益体質を構築しつつあります。
特にセメント事業の海外展開も進み、将来性にも期待。
- 配当利回り:4.87%
- PER:7.98倍
- PBR:0.56倍
- ROE:6.4%
- 連続増配年数:2年
- 連続非減配年数:10年以上
- 株主還元方針:配当性向30%以上を目安に安定配当を継続

30銘柄の中のイチオシ銘柄!割安&高配当&株主還元方針◎で非の打ちどころなし!
◎ サンゲツ(8130)
内装材最大手として高いブランド力を持ち、住宅・商業施設向けの需要に幅広く対応。
建設・リフォーム需要の回復基調のなか、安定した業績推移が続いています。
M&Aや海外展開にも積極的で、株主還元姿勢も明確。
- 配当利回り:5.07%
- PER:13.82倍
- PBR:1.59倍
- ROE:10.1%
- 連続増配年数:11年
- 連続非減配年数:10年以上
- 株主還元方針:DOE(株主資本配当率)3.5%を基本方針とする累進配当

業績が安定している中で、過去2年間で割安圏内にある銘柄。PERとPBRからは割安感はさほど感じないが、ROEが10%と効率よく稼ぐ力があるので、まだまだ上昇できる余地が十分ある。
まとめ
日経累進高配当株指数は、安定配当+将来の増配期待が高い銘柄群として注目されています。
今回の分析では、特に「配当利回り4.5%以上」「PER10倍未満」「PBR0.8倍以下」といった基準で割安性を重視して◎評価をつけました。
中でも「UBE」と「サンゲツ」は、現時点での買い候補として有望です。
インカム重視の投資家は、この指数をベースにポートフォリオを検討してみてはいかがでしょうか。



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