高配当株=インカムゲイン目的で買う人が多いですが、「業績が良ければ株価上昇=含み益」も期待できます。
今回は、来期予想が明るく、なおかつ高配当で割安感もある注目株を3銘柄ピックアップしました。
インカム狙いだけでなく、株価上昇やキャピタルゲインまで視野に入る“攻守バランス型”銘柄です。
高配当株投資では、「含み益は気にしない」のが原則だけど、やっぱり含み益になった方が気分がいいよね。
✅ 記事のポイント
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今期(来期)の業績予想にフォーカス(2025年3月期や2025年12月期)
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配当利回り5%前後+非減配・増配傾向
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指標的にも割安(PBR1倍未満、ROE高め)
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業績好調=株価上昇余地あり=売却益狙いも可能
高配当株の選び方は次の記事も参考になります。
✅ 決算発表や業績の見るべきポイント
株価は「未来」を見て動く。注目すべきは“今期の業績予想”
決算発表では「前期の実績」に目が行きがちですが、株価にとって本当に重要なのは「今期の業績予測」です。
なぜなら、株価は過去ではなく“これからの期待値”に反応するからです。
たとえ前期が好調でも、今期が減益予想であれば株価は下落することもあります。
逆に、前期がやや不調でも、今期の増益見通しが出れば株価が上昇するケースも少なくありません。
つまり、決算を見るときは「会社がこれからどう成長するか」に注目することが、投資判断では最も大切なのです。
投資家は「未来への期待」で株を買うから株価が上がっていくんだね
🔍 銘柄比較(業績と配当)
銘柄(コード) | 売上高(来期) | 営業利益(来期) | 配当利回り | PER | PBR |
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ムゲンエステート(3299) | 806.9億円(+29.8%) | 109.6億円(+13.9%) | 5.85% | 6.68倍 | 0.87倍 |
アジアパイルHD(5288) | 1,110億円(+10.1%) | 73億円(+68.5%) | 4.9% | 8.90倍 | 0.82倍 |
VTホールディングス(7593) | 3,700億円(+5%) | 130億円(+20%) | 5.15% | 8.06倍 | 0.71倍 |
① ムゲンエステート(3299)
中古マンションなどの不動産を仕入れ、リノベーション後に販売する「不動産再生ビジネス」に強み。東京23区を中心に資産価値の高い物件を選定・運用。短期売却を基本とし、安定した収益確保と資産流動性を重視している。
25年12月期1Q:業績進捗(発表日:2025年5月14日)
- 売上高:通期で807億円億円(前期比 +29.8%増)
- 経常利益:前年同期比2.7倍の26.5億円に急拡大
- 計画進捗率:26.7%(過去5年平均は18.0%)
- 営業利益率:前年同期の9.6%→17.4%に急改善
株主還元方針
- 配当利回り:5.85%
- 6期連続増配中
- DOE(株主資本配当率)3%以上に維持を中期目標としています
- 配当性向の目安を40%以上として定めています
不動産業界はこれから迎えるインフレ時代にも強い業種。さらに、海外依存がない純粋な国内事業なので、トランプ関税や世界的な通商リスクの影響を受けにくい点も業績面での安心材料ですね。
② アジアパイルホールディングス(5288)
建築物の基礎工事に使われる「杭(くい)」の製造・施工で国内トップクラスの実績を持つ。橋梁や高層ビル、インフラ案件に強く、官民両方から安定した受注。技術力に定評があり、全国で基礎構造を支える重要企業。
26年3月期の業績予測(発表日:2025年5月14日)
- 売上高:1,110億円(前期比+10.1%増)
- 経常利益:68億円(前期比+75.6%増)にV字回復(前期業績は38%減と大幅減益だった)
- 配当予定:年間配当を前期比3円増の48円に増配方針
- 鉄鋼価格・建設需要の安定で営業利益がV字回復見込み
株主還元
- 配当利回り:4.9%
- 増配を継続見込み(配当性向高め)
- 累進配当を基本とする
- DOE(株主資本配当率)3.75%以上を目途に設定
建設セクターの中でも都市再開発・老朽化対策といったテーマ性が強く、今後の需要が大きく期待できる会社です。日本国内トップクラスのシェアに加え、東南アジアや中南米にも展開していて、海外比率が高いのも意外と強みですね。
③ VTホールディングス(7593)
自動車販売・整備・リースを展開するホールディング企業。ホンダ・日産系ディーラーを国内外に多数展開し、ニュージーランドやオーストラリアにも進出。M&A戦略に積極的で、収益基盤を強化しながら安定成長を続けている。
26年3月期の業績予測(発表日:2025年5月15日)
- 売上高:3,700億円(前期比+5.2%増)
- 営業利益:130億円(前期比+20%増)
- 自動車関連の堅調な推移+整備事業で利益改善見込み
株主還元
- 配当利回り:5.15%
- 配当性向40%を目安に業績に応じた配当を継続(2025年3月期実績:54.8%)
- DOE(株主資本配当率)4.0%以上を長期的な目標に掲げている
- 優待あり(グループ会社利用特典)
業績回復を背景に株価も割安感→評価見直しでリバウンド期待できる銘柄。業績がしっかり読めるセクターであり、決算発表時に利益予想が改善されれば即反応しやすい点も魅力です。
✅ 結論|インカム+株価上昇も狙える攻守型の高配当株を選ぼう
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業績好調=配当維持・増配+株価上昇のチャンス
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高配当株でも、含み益があると精神的にラク
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必要があれば一部売却でキャピタルゲインも可
いずれも配当狙いだけにとどまらず、業績と株価を見ながら柔軟に対応できる銘柄です。
今後の投資判断のご参考までに!