医薬品セクターは、高齢化や生活習慣病を背景に 安定した需要 を持つ一方、研究開発や薬価改定の影響を受けやすい分野です。ただし多くの企業が新薬開発や海外展開を進め、配当を維持・増配しながら株主還元にも積極的です。
医薬品業界の現在
医薬品株は、PERやPBRが高く割高に見えやすいのが特徴です。これは研究開発費が大きく、短期的な利益が小さくなるためです。
一方で、薬は景気に関係なく必要とされるため、需要が安定していて減配リスクが少なく、高配当を維持できる企業が多いのも強みです。
投資のポイントは、「割高に見えるけど安定して配当を出し続ける」構造をどう評価するかです。数字だけで高い・安いを判断せず、配当の安定性や新薬開発の力を合わせて見ることが大切です。
医薬品メーカー比較一覧表(2025年9月19日終値ベース)
国内主要7社を並べました。上から銘柄コード順です。
※指標は2025年9月19日終値ベース
コード | 銘柄名 | 配当 利回り |
PER | PBR | 連続増配 年数 |
連続非減配 年数 |
時価総額 (億円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4502 | 武田薬品工業 | 4.47% | 30.7倍 | 1.02倍 | 2年 | 15年 | 71,244 |
4503 | アステラス製薬 | 4.71% | 22.8倍 | 2.00倍 | 13年 | 15年 | 29,995 |
4516 | 日本新薬 | 3.71% | 9.4倍 | 0.90倍 | 0年 | 15年 | 2,348 |
4519 | 中外製薬 | 3.66% | -倍 | 5.66倍 | 8年 | 8年 | 114,612 |
4521 | 科研製薬 | 4.92% | 43.2倍 | 0.99倍 | 1年 | 15年 | 1,704 |
4528 | 小野薬品工業 | 4.68% | 12.0倍 | 1.04倍 | 0年 | 15年 | 8,530 |
4540 | ツムラ | 3.65% | 12.2倍 | 0.96倍 | 2年 | 15年 | 2,873 |
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7銘柄の中から、高配当株投資として注目度の高い3社をピックアップしてご紹介します。
※指標は2025年9月19日終値ベース
武田薬品工業(4502)
事業内容と特徴
日本最大の製薬会社で、消化器系やオンコロジー領域に強みを持ちます。潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「ENTYVIO(エンタイビオ)」は将来1兆円規模の売上が期待されており、希少疾患や血液疾患領域の新薬も成長ドライバーとして注目されています。
今期の通期業績予測
売上高:1兆1,067億円(前年比 −8.4%) ☁️
営業利益:1,846億円(前年比 +11.0%) ☀️
当期純利益:1,242億円(前年比 +30.4%) ☀️
(引用元:マネックス証券 銘柄スカウター)
投資指標(2025年9月19日終値ベース)
- 配当利回り:4.47% ☀️
- PER:30.7倍 🌧️
- PBR:1.02倍 🌤️
- ROE:1.52% 🌧️
- 自己資本比率:48.7% 🌤️
- 配当性向:286.7% 🌧️
- 連続増配年数:2年 ☁️
- 連続非減配年数:15年 ☀️
株主還元方針
武田薬品は累進配当方針を掲げ、配当を毎年「増額または維持」することを基本としています。あわせて資本効率向上のため、必要に応じて自己株式取得を行う方針です。
(引用元:マネックス証券 銘柄スカウター)

世界展開の安定感と高配当が魅力。ディフェンシブ性を重視するならガチホしたい銘柄です!
アステラス製薬(4503)
事業内容と特徴
アステラスは国内製薬業界で売上第2位を誇り、がん領域と移植医療に強みを持ちます。前立腺がん治療薬「イクスタンジ」や白血病治療薬「ゾスパタ」が収益を支え、ゾルベツキシマブや遺伝子治療薬など新薬開発も進めることで、安定性と成長性を両立しています。
今期の通期業績予測
売上高:5,058億円(前年比 +6.9%) 🌤️
営業利益:946億円(前年比 +86.8%) ☀️
当期純利益:684億円(前年比 +82.0%) ☀️
(引用元:マネックス証券 銘柄スカウター)
投資指標(2025年9月19日終値ベース)
- 配当利回り:4.71% ☀️
- PER:22.8倍 ☁️
- PBR:2.00倍 🌧️
- ROE:3.26% ☁️
- 自己資本比率:45.3% 🌤️
- 配当性向:261.1% 🌧️
- 連続増配年数:13年 ☀️
- 連続非減配年数:15年 ☀️
株主還元方針
アステラスは公式IRで、安定的かつ持続的な配当の向上を掲げています。あわせて必要に応じて自己株式取得を機動的に行う方針も示しています。
(引用元:マネックス証券 銘柄スカウター)

医薬品セクターで連続増配ナンバー1!増配を楽しみたいならこの銘柄です!
小野薬品工業(4528)
事業内容と特徴
がん免疫治療薬「オプジーボ」を柱に成長を続ける中堅大手で、国内外で高い知名度を持ちます。免疫抑制剤や抗がん剤も収益を支えており、がん領域に特化した企業として独自のポジションを確立。さらに新規チェックポイント阻害薬や抗体医薬の開発も進めており、次世代治療薬への期待が大きい点が特徴です。
今期の通期業績予測
売上高:1,275億円(前年比 +8.4%) 🌤️
営業利益:220億円(前年比 −28.3%) 🌧️
当期純利益:177億円(前年比 −28.7%) 🌧️
(引用元:マネックス証券 銘柄スカウター)
投資指標(2025年9月19日終値ベース)
- 配当利回り:4.68% ☀️
- PER:12.0倍 ☀️
- PBR:1.04倍 🌤️
- ROE:6.35% 🌤️
- 自己資本比率:73.5% ☀️
- 配当性向:75.1% ☁️
- 連続増配年数:0年 ☁️
- 連続非減配年数:15年 ☀️
株主還元方針
小野薬品は公式に累進配当方針を掲げ、年間配当を維持または増額することを基本としています。配当性向は40%を目安とし、配当は年2回(中間・期末)実施する方針です。
(引用元:マネックス証券 銘柄スカウター)

このセクターで割安感と高配当のバランスが一番良い。高配当株界隈で大人気銘柄の一つですね!
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まとめ
医薬品セクターは薬価制度や研究開発リスクという課題を抱えながらも、高齢化社会を追い風にした安定需要 が強みです。中でも注目度の高いのが 武田薬品工業・アステラス製薬・小野薬品工業 の3社です。
- 武田薬品工業:高配当と安定配当
- アステラス製薬:高配当と増配期待
- 小野薬品工業:高配当と割安感
今後の業績や新薬開発の進展に注目しながら、長期ポートフォリオに組み入れることで安定したインカムゲインが期待できます。
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